名前のない関係/椎崎夕
2007年01月12日 (金)
あらすじ(bk1より転記)
妻子持ちはお断りという美貌のバーテンダー・宮下馨は、付き合っていた男が独身だと嘘をついていたと知り、一方的に別れ話を突き付ける。だがその夜、酔いつぶれた馨は、バーの常連だった男に抱かれていた…。
★
夢花さんのイラストとあいまって、爽やかな印象です。
良くも悪くもさらりとしている。
う~ん、なんて言えばイイんだろう・・・この物足りなさを。
ストーリー的には美味しいような気がするんです。
常連さんと一夜を共にしちゃった
↓
別れを告げた男にしつこく付きまとわれているところを助けてくれた。
↓
助けたお礼に関係続行を求められる。
↓
反発しながらも関係を続けていくうちに、イイやつだと気づく。(笑)
なんか、こう羅列してみるとストーリー的には普通ですね。
あ、そうか、キャラクター的に美味しいかと。
馨は一見おとなしそうに見えて、実はズバズバと口の悪い感じだし。
お相手の笠原も助けた貸しにお礼をにっこりと(半分強制的に)要求してくるような面の皮の持ち主だし。
なんだけど、それがのっぺりした印象になってしまっているのです・・・。物凄くもったいない。
ちゃんとえっついぃシーンだってあります。ガッツリあります。でもそれも印象が薄いんですよね~。
馨の既婚者お断りだって過去のトラウマが原因で、そのトラウマもちゃんと物語の中で消化しようという意思は見えました。でもそのトラウマも印象が薄い・・・。
・・・椎崎さんはこのお話で、どこにポイントを当てていたのでしょうか?と考えてしまう。
やっぱり物語を書くからには、それなりの時間と労力と情熱が必要だと思うんです。その中でも読み手は書いた人が見ている、伝えたがっている情熱をみると思うんですよ。っていうか私がそうなのです。
それがあお用語だと「萌え」になるんですが・・・。
そうやって考えると、椎崎さんの情熱が私の萌えとは重ならなかったのかもしれません。
読み始めは朝丘戻。さん路線で期待していただけに、とっても惜しいです。しかも読みにくい文章や物語のわけではないので余計に惜しいです。もっと読んでみたいような・・・でもまた萌えが合わなかったらがっかりしちゃうかも、という不安がつきまといそうです。
★
と、ちょっと辛口(?)感想だったんですが、好きなシーンもちゃんとあったんですよ。
笠原が「かおるの名前に漢字は当ててあるのか?」と聞いて「いい名だな」と名前を呼ぶシーンはとても素敵だなと思いました。あのシーンはとてもキラキラしていたように感じます。
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